PlayStation4

【ネタバレなし】人喰いの大鷲トリコ【レビュー】

2016年12月にソニー・インタラクティブ・エンタテインメントより発売のゲーム。なんかこれも発表から発売までにかなりの期間が掛かったらしく、また有名なゲームデザイナー上田文人氏の新作ということで、話題になってましたね。

トレーラー見てたら色々思い出してきた。

人食いの大鷲トリコ→公式サイト

ゲームシステム?

(どうして”?”が付いているのかというと、本当に、「人食いの大鷲トリコ」は文章にしづらいからです…ゲームシステムと一口に言っていいものか悩みどころですが、遊び方が知りたい人にとってはゲームシステムなのは間違いないし…う~ん)

プレイヤーは少年となって、遺跡を歩き回り、トリコ(あの大きい不思議な生き物)とコミュニケーションを取り、そして遺跡やトリコの謎に触れる…そんな感じのゲームです。

しかし、ゲームと言ってしまうのがなんだか惜しいと思えるほど、全てが生々しく、リアルに感じられるのです。実際には、トリコ(大鷲)は架空の存在なのですが…。

何より得られる体験が大きいと、個人的には思います。各所でも散々言われていると思うのですが、これは、ゲームというよりはほぼ体験です。テレビ画面やPS4コントローラーを通じて、プレイヤーは実際に少年となり、トリコと触れ合うことが出来ると言っても過言ではないと思います。

上田文人氏の世界観が好きなら尚更

私は上田文人氏の作品は、PS2ソフト「ICO」しかやったことないですが、それにかなり近いものを感じました。この人こういうの好きだなあとか思ったり。ICOが好きだった人には、ぜひともやってほしいですね。

プレイヤーの感じる違和感が、全て謎(もしくはそのヒント)に繋がる

プレイヤーは遺跡の中を歩き回って、「お、なんだこれは…」という発見をし、どうやって進めばいいかを考える、というのが基本的な流れです。

そして、まずプレイヤーがゲームで気持ちよくなる条件として、自分で解決法を思いつく、というのがあります。

そのときに重要なことは、

「お、なんだこれは…」

という発見(疑問)をプレイヤーに持たせなければならない、ということです。

例えば、

なんか壁に謎の出っ張りがあるな…
とか
変に天井が高いな…
とか。

そうして何かを発見したプレイヤーは、そこから自分で考え、そのゲームを攻略方法を学習していきます。謎の出っ張りがあればこうすればいい、変に天井が高いときはここになにかあるぞ、と。

無事に攻略を終えると、「自力で解いたぞ!私って最高だ!」というように気持ちよくなります(私は)。また同じ違和感に出会ったときは、「これはさっき自分で攻略したから知っているぞ」と得意気になるんですね。実際は、開発者によって一つの解に導かれているんですけど。

でも、壁の出っ張りに「壁が出っ張っているときは、こうしよう!」と直にヒントが書いてあるわけではなく、プレイヤー自身が「おや?」と違和感を持ち、どうすればいいのかを考えます。そうすると、プレイヤーは誰に言われたわけでもなく自分で考えたのだと錯覚するのです!本当は、開発者たちが「この壁の出っ張りは目立つ色にしとこ…」とか言いながら、プレイヤーが違和感を持つように、あえて不自然にしているんです。不自然なものは目立ちますから。

そして上記は、「正しい違和感」の例です。正しい違和感は、プレイヤーが勝手に気付き、考え、攻略して、気持ちがいい。
※正しい違和感というのは私の個人的な考えです

では、「悪い違和感」とはなんでしょう。個人的には、「解決した違和感(攻略した労力)と報酬が釣り合わない」ものだと思います。

みなさんも、こんな経験ないでしょうか。「せっかく苦労して攻略したのに、大したものが得られなかった」とか、「進んだ先に何もなかった(しかも引き返すのがめんどくさい)」とか。

それって、「苦労した体験」と、「報酬」が釣り合ってないからそう思うんですよね多分。「お、何かあるぞ?」と思わせておいて、何もない。ただの思わせぶりです。開発者はイタズラの感覚で入れたのかもしれないし、何の意図もなかったのかもしれない。しかし、やられたプレーヤーからするともう勘弁してほしい。ストレスでしかない。開発者の自己満足に付き合っている暇はないのだ。

イタズラのつもりでやったなら大いに反省してほしいところですが、これが「何も意図していなかった」場合が厄介ですね。開発者からすると、「別に疑問を持つところではない」場所で、プレイヤーが勝手に足踏みしているんです。ですがプレイヤーからすると、意味のない足踏みは、めちゃくちゃ理不尽なんです。

すごく勘弁してほしいですが、開発者には「不要な場所で無意味な疑問を抱かせない」という技術も求められます。別に何もない場所でプレイヤーが勝手に詰んだとしても、責められるのは開発者ですからね。開発者を責めなかったとしても、「もう無意味な謎は解かないぞ!」って意気込むプレイヤーもそんなにいないと思います。意図的に疑問を持たないようにすること自体が難しいし、疑問を抱かないのは何も考えていないのと一緒です。「自力で解決する喜び」を放棄しています。また、疑問を持った時点で、それら全てに意味があるように見えるのがゲームなんです。

ゲームは楽しくなりたいからしてるのであって、わざわざ面倒なことはしたくないですから。ゲームは気持ちがいいから、また遊びたくなるんです。

そしてやっと人食いの大鷲トリコの話に戻るんですけど、このゲームでは、プレイヤーの全ての違和感が正しい違和感として作られていると思います。

プレイヤーの考えたこと、学んだことに、全て無駄がない。気持ちいいの連続なんです。

必ずしも、全てのゲームにおいてそうあるべきとは限りませんし、ここまで親切にされるとバカにされているようで気持ちが悪いと感じる人もいるかと思います。ですが、私はそんなに頭が良くないので、このくらいしてもらう方がありがたいです。

フレーム落ち

私の所持しているPS4は、CUH1200(多分)(初期型とslimの間くらい)です。

つまりPS4 proと比較すると性能は下なのですが、特定の状況下でフレーム落ちが発生しました。プレイに支障が出るほどではないのでそこまで気にすることではないと思いますが。

ちなみに、PS4 proを所持している友人もフレーム落ちしたらしいので、型はあんまり関係ないかもしれないです。

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今CUH1200を買う意味はない(し多分生産してない)ので買うならこれかproですね。白も出たしかわいい。

カメラがめっちゃ気持ち悪い

これなんですよね。正直、このゲーム、不満に思うことがほとんどありません。めっちゃ面白いし、良く出来ている。けれど、カメラがめちゃくちゃ気持ち悪いと個人的には思いました。1時間くらいやると大変酔いまして、遊べない日が多かったです。

どうしてこんなに気持ち悪いのかというと、2点ありまして、

①カメラにめっちゃ加速が付いている

②遺跡の壁と、トリコとの当たり判定でカメラの位置がガバガバ

以上2点の仕業ではないかと思っています。

個人的に、3Dゲーム全てにおいてカメラは影の主役だと思っているので、めちゃくちゃ気になります。なんでこのゲームすごく出来が良いのにカメラこんなに気持ち悪いのかな。誰か文句言わなかったのだろうか…。

カメラが影の主役だと思っている理由は、また機会があれば…多分察しはつくと思うけど…。

あんまり夢のない話(しかもトリコ関係ない)

で、ここからちょっと夢のない話をしたいなと思って…

人食いの大鷲トリコは、何よりも体験を得られる物だと言っておきながら、どうしても職業病というか、どうしても色々すごいなあって思って見ちゃうんですよね。で、多分「人食いの大鷲トリコ」のレビューはほとんど「トリコとの体験」について書かれていると思います。ですから、少し別の視点から、(需要はないと思いますが)思ったことを書きます。

体験を得るゲームだと言っておきながら、体験とは直接関係ないことを書きます。

トリコの頭の悪さ(褒めてる)

これ褒め言葉なんですけど、トリコ(大鷲)ってそんなに頭が良くないんですよね。

頭が良くないっていうのは人間界ではあまり褒められたことではないですが、コンピュータ界においては結構すごいことなんです。

コンピュータっていうのは、なんというか物凄く頭の回転が速いんですよ。命令されたことはその瞬間に答えを導きます。ですが、自分から何かを考えるということはありません(最近は思考するAIなんかもあるらしいですけど、それは置いておいて…)。必ず、人間の手で命令を与えることが必要です。そして、やれと言われたこと(命令)を適切に処理し、必ず正解にたどり着きます。その答えが間違っていた場合は、むしろ命令(人間側)に問題がある。

人間その他の動物は、コンピュータと比較すると、頭の回転は遅いんですよ。答えを導くまでに、耳や目で情報を集め、様々な観点から考え、その考えは本当に正しいのかをまた考えたり、他の解と比較してみたり…。多くの手順を踏んで、ようやく解にたどり着きます。しかも、それが正解とは限らない。

そしてここで重要なのは、どちらも、お互いに成り代わることは大変難しい(ほぼ無理)ということです。人間はコンピュータのように複数の命令を同時処理するのは厳しいし、瞬時(0.何秒とか)に解を導き出すことも難しい。コンピュータもまた、人間のように何かに気付いたり、思考することは出来ない。(コンピュータが異常に気付いてエラーを吐いたりするのは、人間から「いつもと違うことが起きたらエラー表示を出せ!」と命令されているからですよね。自発的に考えているわけではない。)

で、人食いの大鷲トリコはゲームですから、内部は全てコンピュータです。ですが、多くのユーザーが、「トリコの生き物としての存在」を確かに感じています。コンピュータは生き物ではないのにも関わらず。

さて、それは何故でしょう。トリコはコンピュータなのは間違いありませんから、人間の命令によって生き物のように振る舞っている、と考えるのがベストでしょう(多分)。

では、「生き物のように振る舞う」ためには、どんな命令をすればいいのでしょうか。「生き物のように振る舞え!」と言われても、コンピュータには理解できません。そもそも生き物ではないし、生き物の定義が曖昧ですからね。あなたが「コンピュータのモノマネして」と無茶振りされるのと一緒です。

コンピュータは仕事が早くても自分で考えることは出来ませんから、手取り足取り教えてあげなければなりません。では「生き物らしさ」を考えてみよう。

①呼吸をしている
②瞬きをしている
③動く物や音の鳴る方向を反射的に見る
④見たり、聞いたりしたこと(③)から状況を考える
⑤考えた結果(④)、行動する
⑥行動する手順(⑤)が、いつも同じとは限らない
⑦なんか身体が痒くなったりする

などなど…キリがないので、このあたりで…

で、これらの「生き物らしさ」をコンピュータが理解できる命令に書き直すと…

①呼吸をしている
→周期毎に肩や胸が上下する
②瞬きをしている
→ランダム性のある周期ごとにまぶたを一瞬閉じる
③動く物や音の鳴る方向を反射的に見る
→視界内や聞こえる範囲内(開発者の任意)で動いたり音を出す物の方へ、顔を向ける
④見たり、聞いたりしたこと(③)から状況を考える
→本当はもう状況は分かっているが、あえて考えているような「間」を作る。または開発者が指定した「考えている」ような素振りをする。
⑤考えた結果(④)、行動する
→指定された「間」を過ぎたら、命令を処理する。
⑥行動する手順(⑤)が、いつも同じとは限らない
→⑤で行動するパターンを複数用意しておき、命令に最も適している条件の行動を取る。
⑦なんか身体が痒くなったりする
→ランダム性のある周期ごとに予め用意していた「痒そう」なモーションを行う。

これらは、私が作るならこうするかな~みたいな想像です。ですが見ての通り、7つくらいに絞っても条件が多すぎる。結構端折って書いているので、実際はもっと長くなると思います。そして、トリコが「生き物らしさ」を表現するために書かれている命令はこんな数じゃないと思います。

すると、どうでしょう。もう、私にはわけがわからない。数が多すぎるし、条件が複雑すぎるので、自分で出した命令が自分でわからなくなる。自分で何を命令したか分からなくなっているので、次の命令がトンチンカンになる。何度も同じ命令を出したり、絶対に(物理的に)不可能な命令を出したり。

そして開発者自身もよく分かっていない命令を、場合によっては別の人が引き継ぎます。当然、引き継いだ人には何が書かれているか全く伝わらない。理解するよりも先に締め切りが来る。人は怒られたくありませんから、わからないなりに頑張ります。でも、その命令もやはり以前のものと整合性のとれない、無駄な命令になってしまう(以前に何を命令されたか知りませんからね)。でもコンピュータは命令は必ずやり遂げる仕事人ですから、無駄であろうと何だろうと、絶対に命令を遂行します

こうして開発者たちはバグを生み出すんですね。なるほど~。

トリコのAIは1人で作ったと風のうわさに聞いた(信憑性は分からない。うわさ。)ので、引き継ぎによるバグは無いのだろうと推測しますが…、もう、トリコのAIを開発した人はとびきり頭が良いんだろうなあと低知能並に思います。

上の方で「コンピュータは人間(生き物)にはなれない」とチラッと書いたのですが、多くの人がトリコに生き物らしさを感じている。つまり、トリコは限りなく不可能(生き物)に近いコンピュータなんですよ。持論ですけど。

生き物は、自覚がある機能とない機能が複雑に絡み合って動いています。トリコはそれをシミュレートした、ただのコンピュータだろと言われてしまえばそれまでですが、お前にそのシミュレートの苦労がわかるか?(突然キレだす)

総評

書きたいことをモリモリ書いていたらトリコとほとんど関係なくなったが、とりあえず購入を迷っている人は迷わずに買ってほしい。PS4を持っていない人は、PS4とセットで買おう。

カメラとフレーム落ちは確かに問題だが、そんなことはとりあえず気にしないで、遊んでほしい。なんでかって言うと、楽しかったからです(こなみ)。

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