2018年9月7日にソニー・インタラクティブ・エンタテインメントから発売されたアクションゲーム。世界中で大人気のアメコミ・スパイダーマンを題材とした新作で、誰もが体験したくなるプレイ映像で一気に注目を集めた気がします。
残念ながら私は映画をあまり自主的に見ないため、スパイダーマンも見たことはありませんでした。が、エンジニアなら誰もが心惹かれるであろうプレイ映像を見て、結果的に衝動で買いました。
この作品を遊ぶ前に私が持っていたスパイダーマンの知識としては、「蜘蛛に噛まれたことによって糸が出る感じのスーパーパワーを得た青年が主人公」「主人公には彼女がいる」の2点です。要はファンではなかったわけですが、そんな人でも楽しめる作品なのか…という話です。
スーパーヒーロー・スパイダーマンに簡単操作でなりきれるゲーム
まずは私を含め多くの人が魅了された、ニューヨークのビルを次々飛び越えていくシーン。
これがこのゲームにおいての移動になるのですが、その操作はいたって簡単。
R2を押したまま、行きたい方向にスティックを倒しておくだけでオッケーです。
それだけで、スパイダーマンはビルの間をターザンし、時には駆け上がったりと、
ファンの大好きな超絶カッコいいアクションをしてくれるのです。
アクションゲームではありますが、基本的に使用するボタンは□△の攻撃、〇の回避くらいで、戦闘に関してはかなり遊びやすいです。
この手の洋ゲーは操作が難しいことが多く、慣れるまで序盤が一苦労なんてことはよくありますが、この作品に関しては、
「操作にストレスを与えないこと」に力を入れているように感じます。
先行入力とアクションのキャンセルが常時機能している状態ですので、今本当にプレイヤーが出したいと思っている技がすぐに反映されます。
「今押したじゃん!」ということはまずないです。
簡単であるがゆえに単調なアクション
そして、上述したようにアクションはかなり簡単、というかストレスを感じないため、
戦闘に対する達成感というのも正直薄めだなあというのが印象です。
基本的に攻撃ボタンを適当に連打していればスパイダーマンは勝手にスゲーカッコいいアクションで敵をなぎ倒していくし、
画面上に危険マークが出ていたらとりあえず回避ボタンを押せば回避できます。
難易度は(初プレイ時で解禁されている)最高難易度で遊んだのですが、それでも
アクションそのものは慣れてしまうと作業感が強くなっていきます。
狭すぎるニューヨーク
今作はオープンワールドですので、スパイダーマンとなってニューヨークの街を駆け回ることができます。
ただ、実際遊んでみると、スパイダーマンは移動速度が早すぎて、
世界の端から端が言うほど遠くない印象を受けました。
さらに、(実際のニューヨークは行ったことありませんが)
ニューヨークの街並みはほぼ景色が変わらない。プレイ開始から終了までひたすらコンクリートジャングルを駆け回ることになります。
道中で新鮮味を感じられる場所がなく、アクションにも飽きて(慣れて)しまってくると、少しずつ
「なんか味気ないなあ」という感想が芽生えてきます。
めっちゃおもんないとか、クソ!ということは全くないのですが、いまいちハマる操作性というわけでもなく、
なんとなく続かなくてやめちゃったプレイヤーもいるのではないかなと思います。
まるで映画のような臨場感あふれるイベントアクション
海外のゲームは今作に限らず、映画にも負けないカッコいいイベントシーン盛沢山のゲームが多くなっています。
今作スパイダーマンも例外ではなく、もともと簡単操作で遊べることもあって、それこそ映画のようなアクションを体験できるようになっています。
結局原作や映画は見てなくても大丈夫なのか?
(どうやら世の中の人は全員スパイダーマンの映画を見ているらしいので、映画すら見たことがないという私のような人間が存在すればの話ですが、)
映画や原作は知らなくても十分楽しめました。作中に登場する人物についてはプレイ中にある程度説明があります。
また、これはマーベル作品の特徴のようですが、同じ「スパイダーマン」の設定を利用した作品は何作かあり、その作品によって話の内容や登場人物の運命が大きく異なる場合があるそうです。
今作のスパイダーマンについても、ゲームオリジナルストーリーとなっているため、何かしらの
前知識が必要なシーンというのはほとんどありませんでした。
ですので、知らなくても大丈夫ではあります。が、知らない状態で遊んだ私から言わせてもらうと、
1作くらいは見たほうがいいと思います。
というのも、上のほうにも少し書きましたが、簡単・軽快なアクションが逆に足を引っ張ってゲームを飽きさせる要因になっており、それを気にさせないコンテンツとして盛り込まれているのが「スパイダーマンファンなら嬉しい小ネタ・作りこみ」なんですよね。
いまいちそのあたりが理解できないと、中盤くらいまではわりとしんどいです。なんかちょっと飽きたな…と思っちゃうと辞めちゃう可能性は普通にありそう。続ける理由がないので。
総評
終盤に差し掛かったくらいから急に面白くなって最終的にめっちゃ泣いちゃったので、普通にめっちゃ楽しめましたが、それはストーリーの盛り上がり具合によるものであり、もしかするとこれはゲームではなく映画でよかったのでは?みたいな気分になりました。
ニューヨークビル群の間を初めて飛び回ったときはそれはもうめっちゃ楽しくて駆け回りまくりましたが、それなりに慣れてくると新しい要素というものに出会えなくなってきます。
そこで飽きてしまわないかどうかが、このゲームを最大限楽しめるかどうかではないかと思いますね。
世界中の人間がスパイダーマンの大ファンであることを前提とすると万人にお勧めするのですが、ファンじゃないのであればまず映画などでファンになるところから始めたほうがいいかな~というのが個人的な感想です。
まあゲーム遊んだ後でアメコミに興味が出て色々調べたりとかはしたんですけどね。
全体的なボリュームで言うとかなり短いほうであり、気軽には遊べるので、やってみてもいいのではないかなあ。ここからほかのアメコミ作品に出合っていくというのもアリだと思います。