ニンテンドーSwitch

【ネタバレなし】ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド【レビュー】

2017年3月3日、任天堂から発売されたwiiU・Switch向けのアクションゲーム。もともとビッグタイトルであるゼルダの伝説がオープンワールドになるということで、発売前から大きな話題を呼んでいました。

発売後もレビューは絶賛の嵐。そんなにおもろいんか…と思いつつ遊ぶ機会があったので、かなり個人的な意見を述べます。

なんかよく知らないユーチューバーがべた褒めしていたのを聞いて、「いや、そうでもなくね?」という思いから執筆に至っているので、肯定的な意見ばかりではないことをあらかじめ承知してください。

結論だけ先に申しあげておきますと、「Switch買ったけど何遊んでいいか迷うな~とかいうやつはとりあえず買っとけ」という感じ。オススメはします。

ついにガノンドロフは概念と化したんだなあ…

そもそもWiiU向けゼルダではなかったのか

まず一つ、任天堂は「WiiUでゼルダ出すよ!」と公言していました。(2018.03.22.ソース見つからないので確認中)

発売タイトルが不遇とか言われていたWiiUでビックタイトルが確約されていたため、WiiU持ちとしても期待はしていたものになります。

ところが、いつまでたってもゼルダ新作の発表は無く、しかも、新ハード通称NX(現Switch)の開発が進んでいるなんていう発表が。

それってつまり、WiiUでゼルダは出ない(出てもNXの下位互換)ということでは…と、ユーザーの不安を非常に煽りました。

実際不安通りの結果になってしまったので、若干裏切られたような気持ちを抱いたのは私だけではないはず…。

自由度の高さを肯定的に取るかどうか

さまざまなメディアなどに取り上げられていた際、どこも「自由度が高い」「攻略法に決まりがない」など、とにかく自由度の高さを押し出していました。

「どこから攻略するかもプレイヤーにゆだねられている」というのは、作品の物語の進行の影響などもあるので、実現可能な作品、不可能な作品があると思います。

しかしまあ、「どこでも自由に行ける」とかは、オープンワールドなら普通なのでは?という疑問が。(オープンワールドは、その根底に「架空の世界を現実と同じように歩き回ってみたい」という夢も含んでいるので)

しかし、それら「オープンワールドの常識」すらも大々的に「新作ゼルダのすごいところ」としてとらえられていたように感じました。

そのあたりからなんとなく感じられるのは、今作「ゼルダの伝説 ブレス・オブ・ザ・ワイルド(以下botw)」は、「オープンワールドのゲームを遊んだことのない人」がターゲットだったのではないか、ということです。

オープンワールドゲームは最近になってかなり増えては来ましたが、依然として洋ゲー中心であり、日本製でメジャーなオープンワールドというとFF15くらいでしょうか。

オープンワールドを制作しようと思うとどうしても期間や予算が膨大になり、求められる技術も高くなるため、大きな企業でなければ作れないでしょう。そうなるとどうしても日本で作るのは厳しいものもあるようです。

そんな理由もあって、「オープンワールド」というジャンルが洋ゲーに偏りがちになっており、また、洋ゲーを遊ばない人にとっては、ゼルダbotwが初のオープンワールド、ということになりそうです。

オープンワールドをそれなりに遊んでいる人は、そもそもターゲットの対象外であった可能性が…。

好みが分かれそうなチュートリアル

チュートリアルには、今どきのゲームらしさとらしくなさを兼ね備えた、なんとも中途半端な印象を受けました。

個人的に嫌いなチュートリアルとして、「一枚画像や文章による説明を大量にはさむ」というのがあります。最近ではこの手法ではなく、第1ステージ全体をチュートリアルとして作成し、一つ一つの操作を学ばせていくものがほとんどです。その中でキャラクター同士のやりとりなどで世界観設定をユーザーに伝えることで、ユーザーをただ待たせることなく、かつ自然に誘導できるという、現代の最適解といえるでしょう。

今作botwはというと、ゲームスタートと同時に、ゲーム世界に捨てられます。容赦なくポイです。

最近のゲームの傾向として、ステージ序盤をチュートリアルとして作成するという話をしましたが、それでも鬱陶しく感じることもあり、「随時アクションアイコンを表示する」という手法がとられるパターンも増えてきました(人に近づくと頭上に「A:話す」とか出てくるとか扉の前に立つと「□:開ける」などが状況に応じてポップアップされる)。

また、ゲーマーたちにとって常識といえる操作(3Dゲームなら左スティックで移動、右スティックでカメラ操作)についてはもはや触れもしない、というゲームも増えてきている状態です。

それだけシンプルに・スマートに説明する傾向が流行している時代ですので、ゼルダも大方それを踏んでいるのでしょう。

ですがあまりにもストレートな投げっぷりだったために、所感で「え、なにすればいいの」と感じてしまったのは事実です。

ユーザーが操作感に慣れてきたころにようやく、世界観設定・シナリオについての話が差し込まれるのですが、そこに至るまでの導線が薄すぎないか?という印象でした。マジでなにしたらいいかわからん。

正直なところ、これ本当に面白いのか?と疑問を抱きながら進めている状態で序盤を終え、目的が提示されて初めて面白さを感じ始めることになりました。

ゲーム開始時点でユーザーを掴めないと、「よくわからん」と離れてしまう人も中にはいますから、そこはもっとしっかり誘導してもよかったのではないかと思います。

上述したように、オープンワールド慣れしている人はそもそもターゲットではなく、これまでのゼルダファンに「広いハイラルを体験してほしい!」という思いが真っ先に来ているのであれば、このような形になったのも多少理解はできますが、迷子になった人も多いんじゃないかな…。

必要性を感じない仕様

プレイしていて、非常に鬱陶しく感じた仕様が2つあり、それは雨と雷です。

オープンワールドのハイラルではもちろん時間も流れ、天気も変化していくため、晴れていたり、雨が降ったりと、様々な景色を見ることができます。

しかしその中で雨という仕様が非常に厄介者でした。

雨が降った場合のメリットとして、足音がかき消され、敵に気付かれにくくなる、というものがありましたが、

デメリットとして存在していた「崖をよじ登るときに、地面が濡れているために滑り落ちる」というもの。これの存在がとにかく進行の足を引っ張ります。

なんか世間ではすげー!こんなとこまで再現(?)してる!とか言っている人もいましたが、すげーかもしれないけどこのデメリットお前嬉しいか?めっちゃ萎えない?大丈夫?という感じです。

どこでも自由に歩き回れるがゆえに、山を無理に登ってみたり、世界のどこまでいけるか単純に冒険して谷にたどりついたり、そうやって自然の中に迷い込んだ人たちにとって、「崖を上ることができない」というのはもうリアル遭難ですよ。リンクはもう街に帰ることはできない。

近くに宿屋や焚火があると、そこで指定の時間(朝・昼・夜)まで時間を進めることができるので(これはオープンワールドによくある仕様。ゲーム世界の人間はゲーム時間が夜になると就寝し、ゲームの進行の妨げになる場合があるため。)、宿屋や焚火で時間を潰し、晴れるのを待つ、という手もあります。

手持ちに木材と火打石などの火を付ける道具があれば、どこでも焚火は作成可能です。

ですが残念なことに雨が降ると焚火は消えてしまいます。つまり、町から遠く離れた宿屋なんかない場所で雨に遭遇すると、もう打つ手なしです。リアルのほうの時間が経過するのを待って雨が止むのをひたすら待つしかない。なんだその仕様。

これがリンク未踏の地を開拓している途中とかだと引き返したくないですし、もう本当にどうしようもない。ただ待つだけ。ここ最近のゲームであんなに時間を無駄にしたことはないです。

限定仕様としなかったことでストレスの根源となった「雷」

上述の雨の影響が大きくなり、土砂降りとなってくると、ハイラルにも雷が落ち始めます。

そしてこの仕様がさらに進行の足を引っ張ることになります。

雷は、「金属に引き寄せられるように落雷する」という仕様があり、あらゆる金属に向かって飛んできます。もちろん直撃すると大ダメージです。

そしてここで「金属」という属性を持っているものは「プレイヤーが所持している武器」に割り当てられています。剣とか、盾とか、弓とか。

ゼルダの伝説において、剣・盾・弓は無くてはならない存在です。基本武器です。そして、今作においては、武器はサバイバルゲームやハックアンドスラッシュ等に似た入手方法を採用しています。

敵を倒したり、ダンジョンを攻略する中で手に入れた剣や盾を、壊れるまで使い倒す、という場合がほとんどでしょう。

ということは要するに、「常に使用したい武器を持っておく」ことは非常に難しい or 面倒なわけです。

また、このbotwに限らずですが、武器というのは、人類の文明とともに発展してきたものの一部であり、始めは木製だったものが、銅や鉄などを扱えるようになったことで、より強力な武器を作れるようになったわけです。

つまりですよ、botwにおいても、木製の剣より金属製の剣のほうが基本的には強いのです。ですから、中盤以降はもう手持ちの武器なんてほぼ金属製ですよ。

しかし、雷なんか降り始めた日にはもうそんなもの手に持ってはいけません。雷のターゲットとして狙われまくります。

武器をすべてカバンの中に収納し、リンクは手ぶらで徘徊することを強要されます。でないと雷落ちてくるので。

そして雨が降っていますから、谷なんかにいたらもう本当に何もできなくなります。ありがとうございました。

もしこれが限定仕様だったら…

ここまで書くとどう足掻いてもクソ仕様の雷、一体なぜ「全ての地で、雷が発生する場合は適用する」ことにしたのか不思議でなりません。

正直言ってプレイヤーにとってはマイナス要素が目立ちすぎて、ストレスにしかならないと思います。

しかし、せっかくのこの雷仕様、例えばあるダンジョンの1つのギミックとして利用されているだけだった場合だと、また印象は違っていたのではないかと思うのです。

まあ面倒に感じることにそこまで変わりはないのですが、1つのエリアのギミックであるなら、まだ理解できるというか、そのあとの楽しみに繋げるための適度なストレスとして提供できたのではないかと思うんですよね。ややもったいないと思います。

導線がないゆえに出会う強敵

上でも何回か述べた気がするのですが、ユーザーに多くの自由を与えたがゆえに、非常に導線が薄いゲームとなっています。

ゲームスタート!はい!どこ行ってもいいよ!という感じです。

これまで多くのオープンワールドゲーで、「何してもいいよって言われたら逆に何していいかわからない」という残念な状態になってプレイを諦めてしまった日本人プレイヤーというのは多く存在します。

また、何しても自由、ということは、ゲーム側から適切なタイミングでイベント発生やシナリオの進行を操作するのが難しくなるということでもあります。

ので、ひたすら探検だけして当初の目的を果たそうとしないプレイヤーは、一生遊ぶことが可能ながらも、一生ゲームがクリアできないのです。強制的にイベント発生させるとかしないと。

しかし、自由を与えているがために、すべてのユーザーが同じタイミングで同じステータスを得られるかというのは分かりませんので、そのあたりレベルデザインの構築も非常に困難になります。

オープンワールドあるあるではあるのですが、なんか適当にふらついてたら明らかに見た目ザコ敵なのにワンパンで殺された!というケース。

自由であるがゆえに、適正でないレベルのザコ敵とも圧倒的に遭遇しやすいんですよね。

ですから、オープンワールドとしてはまあ普通なのですが、個人的にゼルダとしてはかつて無いほどに死にまくりました。

体力いっぱいあるように見えて普通にワンパンで死ぬのがデフォでしたから(特に序盤。オープンワールドあるある)、なんじゃこのゲーム!?とコントローラー投げそうでした。

最も感動すべきはハードがニンテンドーSwitchであること

これだけまあ文句を大量に書き連ねているのですが、クソゲーだ!と言う気は特になく、むしろSwitch持ってるならやっとけば?と勧めようと思います。

仕様とかもろもろについて、今作botwだからこその感動というのはそんなになく、世間でこのゲームすごい!!!と必要以上にもてはやされている状況に疑問を抱き、こうして執筆しているいという経緯がありますが。

いや、最近こういうゲームいっぱいあるじゃんと。むしろ任天堂が金かけて作ってるんだからこれくらいやってくれないと、本当に日本のゲームは質を保てないよ…と。

で、まあ色々見て実際遊んで思ったのは、「これがSwitchで動いていることに一番驚くべきでは?」ということ。

こういうゲームいっぱいあるじゃんと言っても、そのほとんどが洋ゲーで、PC・PS4向けタイトルなわけです。当時で言えばwiiUではこんなの出してるとこ無いでしょ。

Switch発売と同時に発表できた作品であるため、雨とか雷とかその辺諸々のあまり肯定したくない仕様も含め、botwというのは「ニンテンドーSwitchはこれだけのパフォーマンスを発揮できるハードなんだよ!」というのを世に知らしめるための作品だったのではないかなあと。技術デモ的な側面があるんじゃないかなあ。

そもそもコンセプトがPS4とは全く違うと言われればそうなのですが、PS4と比較して安価である代わりにスペックも劣ると、任天堂のハードは毎回言われています。

しかし、開発側も仕様盛れるだけ盛って、それでも実現可能なんだというのを証明するための一本だったのではないか、という風に思えます。

実際、「うわ、こんなことまでできるのか、こまけえ」と思うことも多く、その開発環境と金銭面における余裕、十分な技術力に触れることができ、非常に満足した作品です。

総評

褒めてんのか批判してんのかどっちなんだという感じですが、一技術者としては非常に感動する場面は多かったです。

不要に思える仕様も、そもそもパフォーマンスの誇示のためであるのならば、納得がいくというか。

もし自分が開発の一員だったら絶対その仕様断りますけどね。

消費者なので、そのあたり諸々ふくめて、ニンテンドーSwitchの可能性を見せてもらったと思って、今後に期待したくなる1作でした。

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